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給湯機のエコキュートは災害に強いって本当?
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◇ 給湯機のエコキュートは災害に強いって本当? ◇
エコキュートは、再生可能エネルギーを利用した温水供給システムとして、その環境への優しさで多くの注目を集めています。しかし、その技術は単に地球環境を守るだけでなく、災害時におけるエネルギーの安定供給源としても期待されています。このコラムでは、エコキュートが災害に強いとされる理由を具体的に解説していきます。
目次
1 エコキュートとは
エコキュートとは、ヒートポンプ技術を使って空気の熱でお湯を沸かす家庭用給湯システムの一種で、自然冷媒として二酸化炭素(CO2)を使用する機種の総称です。正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」といいます。
●ヒートポンプとは?
ヒートポンプは、空気中の熱(heat)をポンプ(pump)のように汲み上げて、必要な場所に移動させる技術のことです。ヒートポンプシステムは私たちの身近な家電や設備にも多く使われています。主に、エアコン・冷蔵庫・洗濯乾燥機などの家電や、床暖房・温水暖房・エコキュート(給湯器)などの設備に使われています。
●ヒートポンプ技術の特徴
ヒートポンプ技術の特徴は、消費する電力に比べて多くの熱エネルギーを提供できることにあります。これはCOP(Coefficient Of Performance、成績係数)と呼ばれる指標で評価され、通常、COPが3以上であれば、1kWの電力で3kW以上の熱エネルギーを得られることを意味します。この高いエネルギー効率により、ヒートポンプは環境に優しい暖房や給湯ソリューションとして注目されています。
●エコキュートの特徴
エコキュートの特徴は、湯温や量が安定することです。エコキュートは貯湯式のため、数カ所で同時にお湯を使ってもお湯の温度、量は変わりません。シャワーを浴びている最中にキッチンでお湯を使っても、シャワー温度や湯量に影響なくバスタイムを楽しめます。
エコキュートの設置を検討する際、いくつかの重要な条件があります。エコキュートは屋外設置が基本で、エコキュートの中心となる機械のヒートポンプユニットと、お湯を貯めておくための貯湯タンクユニットから構成されています。ヒートポンプユニットは空気中の熱を利用するため、風通しが良く、日陰になりにくい場所が適しています。
●必要なスペース
必要なスペースの大きさは製品によっても異なりますが、一般的には貯湯タンクユニットが幅900mm前後、奥行き3000mm前後でヒートポンプユニットが幅550~650mm、奥行き600~750mm程度となります。
●基礎工事
エコキュートは大量の水を入れる貯湯タンクがあるため、タンクの容量が大きいほど水を入れた時に全体も重くなります。370Lタンクの場合、タンク内の水だけでも370kg。総重量は400kg近くなります。交換工事の場合は、既設の土台を利用できますが、新しくエコキュートを設置する場合や土台の破損などで利用できない場合は基礎工事が必要です。
●電気工事
エコキュートは電気を使用して運転されるため、家庭の電気設備がエコキュートの消費電力に対応している必要があります。一般的に200Vの電源を要求するため、既存の電気設備が100Vのみの場合は、電気工事が必要になることもあります。
●配管を引ける位置にあるか
エコキュートを設置する際には、既存の配管を再利用するため、ガス給湯器や電気温水器が元々あった場所に設置することが多いです。そのため、元々の場所から遠い場所に設置しようとすると、既存の配管の再利用が難しくなる場合もあるので、既存の配管が使える位置にあるか確認しましょう。
●浴室との距離は15m以内にする
メーカーや機種によりますが、浴室との距離が15m以上離れているとエコキュートがエラーを起こす場合があります。また、距離が遠いとシャワーでお湯が出るまでの時間が長くなり、余分に水道代もかかります。
●居住地域によってはエコキュートが設置できない
エコキュートは寒冷地でも使用できるモデルがありますが、ほとんどのメーカーで貯湯タンクは–20度以下になる場合には室内に設置しなければなりません。そのため、–20度を下回る可能性がある地域ではエコキュート設置はできません。
●マンションで工事の場合は管理組合へ連絡を忘れずに
マンションの給湯器をエコキュートに取り換える場合は、必ず管理組合へ連絡を入れましょう。自己判断で勝手にエコキュートを導入することはタブーとされています。設置禁止の規則があるかもしれませんし、騒音問題に発展する可能性もあります。
ガス給湯器や電気温水器は、ガス・電気の供給が断たれてしまうとお湯を使えませんし、断水してしまうと水道から流れる水も使えません。しかし、エコキュートは災害時にも活用できるというメリットがあります。
●停電時の利用方法について
エコキュートは、停電時にもお湯が出せます。これは、エコキュートが通常、貯湯タンクに大量の温水を蓄えておくシステムであるため、電力が供給されなくなっても、すでに加熱された水を使用できるからです。
【断水していない場合】
タンクにお湯が残っている場合、蛇口からの給湯はできますが、停電時は湯温調整ができないため、高温のお湯が出てくる可能性があります。
【断水した場合】
断水時は、シャワーや蛇口からお湯の使用はできませんが、タンクの中のお湯(水)は生活用水として使用できます。タンク内のお湯を出す場合は、お湯の温度が高温になっている可能性がありますのでやけどには十分ご注意ください。
●何日分備蓄可能?
家族の人数によっても異なりますが、4人家族で容量460Lの貯湯タンクを設置していた場合は、約3~4日分の生活用水を日ごろから備蓄していることになります。
●沸き増しも可能
エコキュートは通常、深夜の電気料金が安い時間帯にお湯を大量に作り貯湯タンクに貯めておきます。しかし昼間でも沸き増しができるため、台風や集中豪雨などで断水の可能性がある場合は、事前に備えることができます。なお、機種によっては警報や注意報が発令されると自動で沸き増しされるタイプもあり、このようなタイプであれば手動で操作せずに停電前の沸き増しも可能です。
●トイレの排水に利用
停電と同時に断水が起きてしまった場合、エコキュートの貯湯ユニットのお湯や水をトイレの排水に利用できます。しかし、便器に熱湯を流すと便器にヒビが入ってしまうかもしれません。お湯は冷ましてから流すようにしましょう。
●飲料水としての使用には不向き
エコキュートの中に貯まったお湯を飲むことはおすすめできません。エコキュートの中にはさまざまな不純物が溜まっている可能性があるため、飲料水には適していません。
自然災害が多い日本では、エコキュートの「非常時でも生活用水を確保できる」というメリットは非常に心強いですね。
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