COLUMNリフォームコラム
失敗しない、介護リフォームのポイント
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◇失敗しない、介護リフォームのポイント◇
介護が必要なご家族が自宅で療養したり生活をしていくためには、その方が快適に暮らせる家づくりが必要になります。
今回は、介護しやすい環境へリフォームをするために知っておくべきポイントをいくつか紹介したいと思います。
~介護の知識を持つケアマネージャーなどに相談することが大事~
まず、介護のためのリフォームは、「介護を受ける方」「介護をする方」のそれぞれのご家庭の状況によって行うべきリフォーム内容が違います。
リフォームを行う業者が介護についての知識がない場合、生活する人の目線で使い勝手を考えたプランニング・設計が難しいこともあります。
そのような場合は、まずは担当のケアマネージャーの方に相談し、どこをどうリフォームするのが最適かアドバイスをもらいましょう。
そのうえで、できれば今まで介護リフォームの経験のあるリフォーム業者さんを紹介してもらうことが好ましいです。
そして下記については、リフォームをする設計の段階で必ず指摘・提案があるはずの内容ですが念のため事前の注意事項としてのせておきます。
勾配・階段の高さ変更についての注意点
車いすで上がれるよう室内の段差を解消し勾配をゆるやかにするリフォームの場合には、段の高さにもよりますが最低でも1m程度のスロープが必要といわれていますので、その分のスペースが室内や玄関先に確保できるかどうか確認が必要です。
階段の高さを低くし段差を少なくするリフォームについても、段差を解消するためには階段を長くし新しく付け替える必要があります。
その際に床や天井を一部解体する工事が発生しますが、家の強度を維持している柱や壁、梁などの構造物にかかってしまうと工事が出来ないケースがありますので注意が必要です。
こちらでは、介護リフォームに多いリフォーム内容とその相場をご紹介します。
・階段の付け替えリフォームと費用の相場
<工事費用>
元々の階段の撤去費用/約10万円、解体後の処分費/約10万円、床の修繕費用/約5万円、新しい階段の設置費用/約15万円、壁・天井の修繕費用/約20万円 = 約55万円
上記費用にプラスして
<階段自体の商品価格> 30万円前後
が必要となり、合計で 約100万円前後 が合計費用の相場となります。
※階段自体の商品価格は、段数や階段の形状、材質によって変わります。
・玄関のスロープ設置工事内容と費用の相場
バリアフリーを目的として玄関スロープを設置するケースは非常に多いです。
玄関スロープは目の粗いコンクリートやレンガなどの床材を使用し、滑りにくいようにすることがまず大切です。
そして、念のため車椅子の脱輪防止用の縁石や手すりも取付できると理想的です。
<コンクリートスロープを設置するリフォーム(約2mの場合)>
スロープ造作・土間工事一式 約7万円前後
<スロープの手すり設置(1.2mの場合)>
手すり価格 約5万円前後 ※メーカー、材質によって金額差あり
設置工事費用 約2万円前後
合計で 約15万円前後 が合計費用の相場となります。
・手すりを取り付ける際の費用の相場
家の中を歩いて移動したり、日常生活の負担を軽減するためには、廊下に限らず階段やお風呂・トイレなどに手すりを設置する事が非常に多いです。
手すりを取り付けるリフォームには、手すりの本体代金と工賃、諸経費などがかかります。
<廊下や階段などのてすりの価格の相場>
・手すりの価格相場 7000円前後/1m
・取付工事費用の相場 約1万5千円~2万円 (職人さん1人の場合)
手すりの材質は、樹脂製や無垢材、ステンレス製などがあります。
中には1メートルあたり2万円近くするものもありますので、取り付ける長さを考慮して適切な素材を選ぶことも大切です。
<お風呂・トイレの手すりの価格の相場>
・手すりの価格相場 2万円前後/1ヶ所
・取付工事費用の相場 約1万5千円~2万円 (職人さん1人の場合)
お風呂の浴室内には、基本的に1ヶ所だけではなく何ヶ所かに手すりを取り付けることになります。
もし3ヶ所に取り付ける場合は
手すりと工賃の合計で 約7~10万円 が相場となります。
上記が介護リフォームに多い一例の費用相場となりますが、いずれの工事も取付・設置場所の補強工事や修繕工事が必要になることがありますので、その分の費用も考慮する必要があります。
3 介護に大事なトイレリフォームについて
トイレと介護の問題は重要で、自分で歩ける高齢の方にとっても、車いすを利用している方にとっても、少しの差が生活の快適さに大きく影響します。
<広さ>
まずは、介護を想定した際に、トイレ自体が広いほど介護をする側も受ける側も楽に動くことができ安全性も高まります。
一般的に、トイレを利用する際に介助が必要な場合、
・トイレ前 50cm~ ・トイレ脇50cm以上 (できれば後方にも30㎝~)のスペースが必要と言われています。
さらに、トイレスペース内に車椅子で入る必要がある場合は、車椅子が入れる入口幅と中のスペースが必要になります。
その場合、
・トイレ脇 1m~ のスペースが必要になるため、リフォームの可否も限定的で、実際に行う場合大幅なリフォームが必要になってきます。
<ベッドサイド用水洗トイレ>
現在は、「ベッドサイド用水洗トイレ」という画期的なトイレが普及しています。
ベッドのそばに設置でき、水洗式なので後始末も不要で、介護をする側にとっても格段に負担が減り、何より、介護を受ける方自身も移動のしやすさから「トイレで排泄をしよう」といった意思を持てるという、大きなメリットがあります。
“水洗”と聞くと、設置工事がかなり大変なのでは?と思う方が多いと思いますが、実際は細くて可動性のある給排水管を、壁の中の給水管と配水管にそれぞれ繋ぐ工事で済み、比較的簡単に設置ができます。
「介護リフォーム=段差などをなくす」といった事が多いですが、介護をする方と介護を受ける方、両者の心理的負担軽減を考えることが介護リフォームには大切と言えるのではないでしょうか。
4 トイレの引戸リフォーム
一般的な住宅に多い「開き戸」のトイレドアは、自身の側に引いて開ける(廊下側に開く)ドアが多く、扉を開け閉めに必要なスペースが大きく、足・腰が不自由な方にとってはドアの開け閉めだけで負担になってしまいます。
一方、病院や高齢者施設に多く設置されている「引き戸」は、扉のを左右にスライドするだけなので、車椅子を横付けしても人の出入りがしやすく、トイレなどの介護リフォームに適していると言えます。
<引き戸の扉は「アウトセット方式」と「上吊り方式」の2種類>
アウトセット方式
壁の上下にレールを設置するだけで済むため、比較的簡単な工事でリフォームできますが、扉の厚みの分場所が取られてしまいます。
上吊り方式
壁の中に扉を収められるよう造作をするため、開閉スペースの内・外側とも今まで通りのスペースが確保できますが、アウトセット方式に比べると工事の時間が長くなります。
予算や使い勝手、希望工期などに合わせて選ぶようにしてください。
「介護リフォームの助成金」
とは、「介護保険制度」で定められた助成金制度で、ケアマネージャーによって要介護認定を受けている被保険者が生活している家をバリアフリーなど介護に適した環境リフォームする際に費用の一部の助成が受けられます。
<対象者>
要介護認定 (要介護1~5、要支援1・2) を受けている被保険者
<支給額>
上限18万円 (支給限度額基準20万円の9割)
<対象となる改修内容>
・手すりの取付け
・段差の解消
・引き戸など、扉の取り替え
・移動円滑化や滑り防止などのための床材等の変更(屋外も可)
・上記の住宅改修によって必要になる住宅改修
以上が介護リフォームの助成金要件となります。
※介護の対象となる方がまだ要介護認定を受けていない場合や、相談をする担当のケアマネージャーがいない場合は市区町村の介護保険の担当課へ相談してください。
なお、実際に助成金を申請する介護リフォームを行うときの流れはおおまかに以下のようになります。
① ケアマネージャーと介護に必要なケアプランについての話し合い
② リフォーム業者に自宅の調査を依頼
③ ケアマネージャー・リフォーム会社と共に介護リフォームの内容を考える
➃ リフォーム会社へ見積を依頼 → 契約
⑤ リフォームの開始 → 完了
➅ 助成金の申請
⑧ 助成金の還付
介護リフォームの工事を行う前に申請をすれば受給できますので、費用の負担が軽くなる助成金制度を活用しましょう。
実際に介護リフォームを行う際には、リフォーム会社の自宅(家屋)調査の際に、現在の介護の状況やケアマネージャーと検討しているリフォームプランをしっかりと伝えてください。
介護を受ける方と介護をする側の双方にとって生活しやすい環境にリフォームすることが大切です。
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