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オフィス移転時の原状回復工事はどこまで必要なの?
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◇ オフィス移転時の原状回復工事はどこまで必要なの? ◇
オフィス退去は引き払ったらそれで終わりではありません。
契約書に定められている「原状回復工事」が必要です。
「原状回復工事」とは、オフィスを修繕し元通りにする作業のことです。
オフィス移転を検討されている事業所、担当者はオフィス退去時の原状回復の注意点や、負担範囲、スケジュールなどをしっかり理解する必要があります。
原状回復工事は法律で定められている義務です。
認識違いがあると貸主との間で退去時にトラブルになることもありますのでしっかりとした知識が必要です。
今回はオフィスの「退去時の原状回復」についてご説明します。
目次
1 原状回復工事とは?
住居の場合、引越しの際の原状回復工事は貸主負担で行うのが一般的ですが、オフィスの原状回復工事は借主負担で行います。
原状回復工事とは、法律で定められている義務で、退去するときに行わなければなりません。
簡単に言うと、「借りた時と同じ状態にして貸主に戻す」ことを言います。
どこまで戻せばいいのか?ということではなく、「完全に元の状態にする」というのが定義です。
自然損耗や経年劣化など関わらず、すべて借主負担になるのが一般的です。
例えば、「借りた後にカーペットを敷いたが、キレイだから廃棄するのはもったいないしそのままにしておいていいかな」と勝手に判断することはできません。
あくまでも判断をするのは貸主です。
貸主が必要なし。元に戻すようにと言えばそれに従わなければなりません。
どこまで原状回復をする義務があるのか?この認識の違いからトラブルが起こることも多く、最悪の場合裁判沙汰に発展する可能性もあります。
しっかりした知識をもってトラブルを回避しましょう。
改正前の民法では具体的な記載のなかった原状回復ですが、2020年4月施行の改正民法において明文化されるようになりました。
【改正民法621条】(賃借人の原状回復義務)
賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年の変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
オフィス移転時の原状回復工事の事例を挙げてみます。
・カーペットの撤去
・デスクやキャビネットなど備品の撤去
・床材、壁紙、天井ボードの張り替え
・入居後に整備した電話回線や電気の撤去・回復
・照明機器の交換
・増設・造作したものの撤去(ネオンや看板も含む)
・壁や天井、床の汚れのクリーニング
オフィスの原状回復義務は、契約内容によって異なるので、まずは契約書を確認することが大切です。
オフィス移転の原状回復工事は、綿密なスケジュールを立てる必要があります。
原状回復工事が終了して引き渡しが完了するまで家賃は発生しますので工期がずれ込むとコストオーバーすることになってしまいます。
オフィスの立地によっては、大きな音や振動が発生する工事になる場合、週末限定の工事だけに限定されたり、夜間だけなど限定されることもあります。
管理会社や施工業者と工事可能な日程、時間帯の確認をした上でのスケジュール調整が必要です。
オフィスの原状回復工事の流れについてご紹介します。
①賃貸契約書を確認する
賃貸契約書を参照し、原状回復義務の範囲がどこまでかチェックします。
一般的に原状回復工事はオフィスや店舗の場合、契約期間内に実施することがほとんどですが、契約書を確認しておきましょう。
契約期間内必須の場合は余裕をもってスケジュールを立てましょう。
今のオフィスから退去を通するという「解約予告」は、解約予定日の6か月前までに行うのが一般的です。
解約日までに引き渡しが完了できなかった場合は、追加で賃料が発生する場合があります。
トラブル防止のためにもスケジュール管理はしっかりしましょう。
②施工業者に問い合わせをする
原状回復工事を行う業者は管理会社指定の施工業者が記載されている場合は、その業者へ問い合わせをします。
指定がない場合は、施工業者を選定して問い合わせをしましょう。
契約内容や、オフィスの間取りや広さなど基本情報をまとめておくとスムーズです。
③業者による現地調査の実施と工事のすり合わせ、見積もり依頼をする
工事業者に現地調査をしてもらいます。
現地調査はそのあとに問題が出ないよう必ず実施してもらいましょう。
現地調査を元に見積もりを出してもいます。
原状回復工事にかかる費用の目安は以下の通りです。
・100坪以下のオフィス:坪単価2~5万円
・100坪以上のオフィス:坪単価5~10万円
見積もりをとるときの目安にしてみてください。
④工事の発注とスケジュールの決定、着工へ。
見積もりに納得したら本契約を結びましょう。
原状回復工事をスケジュールに沿って進めていきましょう。
工事が問題なく進んでいるか定期的な報告をもらうよう依頼しましょう。
⑤現状回復工事の完了後、引き渡しをする
施行内容を確認するために中間検査も実施し、工事が完了したらオフィスを引き渡して完了になります。
オフィスの広さや、修繕が必要な個所によって原状回復工事にかかる工期は変動します。
一般的に1~3月と9~12月はオフィスの移転が多いといわれています。
この期間は希望通りのスケジュールで進めることが難しいこともありますので、初動は早め早めがおススメです。
いかがでしょうか?
オフィスの原状回復工事は、一般の賃貸住宅と違い100%借主負担で行うことになります。
賃貸借契約書をしっかり確認し、トラブルを回避し、余裕をもったスケジュールを立ててオフィス移転に臨みましょう。
原状回復工事や、オフィス新設のご相談は当社にお任せください!
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